症例

柔道整復師が知っておくべきEwing肉腫の知識

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以前勤めていた整骨院のスタッフが話してくれたもので、

とある整骨院の先生が中学生の脚にEwing肉腫があることを見抜いた、という話があります。

そこの先生は、脚の痛みできた患者さんの脚を診てすぐにEwing肉腫を疑い、整形外科に送ったというのです。

診察の結果、Ewing肉腫であり、すぐに大きな病院へ転院されてその後は分からないとの事でした。

そう滅多にない命に関わる疾患を見抜けるのは、常日頃から「考えて」診療に当たっているからです。

その先生がどうしてEwing肉腫を見抜けたのかという詳細な話は聞けませんでしたが、

こういった疾患は自分にも遭遇し得るものとして注意しないくてはいけないものです。

 

Ewing肉腫とは

まず、

粘膜や皮膚などの上皮組織に発生する悪性腫瘍は「がん」といいます。

そして

骨、軟骨、筋肉や神経などの非上皮組織に発生する悪性腫瘍を「肉腫」と呼び区別されます。

このEwing肉腫は小児や若年者の骨に発生する肉腫で、小児に発生する骨腫瘍としては骨肉腫に次いで2番目に多いとされています。

 

発症年齢

10歳から20歳に集中しています。ほとんどの患者は20歳までに発症しています。

 

発症部位

長管⾻の⾻幹部に発症することが多いです。大腿骨、上腕骨、腓骨、脛骨、骨盤、肋骨などがあります。

 

原因

遺伝⼦の異常が深く関与していると考えられています。正常な細胞増殖に重要な遺伝⼦が不適切に調整されるようになると細胞が過剰に増えてしまったり、細胞が正常に成熟できなくなったりしてしまい、異常な細胞が⼤量に産⽣されることになります。

 

症状

腫瘍が発⽣した部位の間欠的な痛みや腫脹などがみられます。発熱を伴ったり、病的⾻折をきっかけとして発見されることがあります。

 

検査

X線検査では、onion-peel appearanceという骨膜反応が特徴的に見られます。

spiculaは棘状陥凹のことで、この骨膜反応も組み合わさる場合もあります。

治療

化学療法、手術療法、放射線療法を行います。民間療法の限界を大幅に超えていますので必ず整形外科で診てもらうようにしなければいけません。

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