小児期は良性、悪性の骨・軟部腫瘍の好発年齢ですが、整形外科での日常診療では遭遇することは稀です。
接骨院で診ることはほとんど無いでしょう。
それでも整形外科には年に数回は接骨院から原因の分からない痛みとして紹介されて受診されています。
いたずらにマッサージで治療を引き延ばさず、整形外科で精査するよう患者に勧めるのも柔道整復師の務めです。
整形外科に勤める柔道整復師なら、どこの場所にどのような腫瘍が出来やすいかは頭に入れておくといいです。
原発性骨腫瘍の好発部位
良性骨腫瘍
骨軟骨腫(外骨腫)
成長期には隆起した骨の表面には軟骨帽と言われる軟骨が覆っていて、骨端線の閉鎖時期には軟骨帽が消失し、外骨腫の成長も止まります。無症状であることが多いですが、筋肉がこの隆起によって圧迫を受けて疼痛が出ることがあります。
内軟骨腫
骨軟骨腫についで多い原発性骨腫瘍です。病的骨折で発見される場合が多いです。
類骨骨腫
骨芽細胞が増殖して類骨が形成されます。2cm以下のものを類骨骨腫と呼び、2cm以上のものを骨芽細胞腫と呼びます。レントゲン撮影で骨皮質内にnidusと呼ばれる骨透亮とその周辺の硬化像が見られます。
軟骨芽細胞腫
好発年齢が10歳代で、疼痛があります。頻度としては低いです。
単純性骨嚢腫
薄い線維性の被膜で覆われて漿液で満たされた嚢腫が骨内に出来ます。好発年齢は5〜20歳代で骨端線に隣接するものは治療後の再発率が高くなります。骨皮質の菲薄で病的骨折を起こし発見されることがあります。
線維性骨異形成
線維性の組織と骨組織による骨形成異常です。単骨性と多骨性があり、多骨性でカフェオレ班と性早熟を伴うものをAlbright症候群と言います。
非骨化性線維腫
好発年齢は10歳代です。レントゲンでは多房性の骨透亮像と薄い辺縁硬化が見られます。病変部が成長期以降に増大するのは稀で、経過観察で良いです。
骨幹端線維性骨皮質欠損と同じ範疇の疾患です。
骨幹端線維性骨皮質欠損
好発年齢は5〜15歳代で、小児の3人に1人は成長期の一時期に罹患しているとされています。患者さんには「成長期の一時期に生じる生理現象です」と説明するといいです。
整形外科に勤務していた時に使っていたメモ帳に書いていたものです。
手書きなので見にくいかもしれませんが、結構役に立ちました。
軟部腫瘍については柔道整復師が知っておくべき脂肪腫の知識についても記しています。