現病歴
2台のブラウン管テレビを廃棄する事になり、片手に14インチもう一方に19インチのテレビを持って運びました。
100mくらい持って歩いた時には握力が無くなるくらいになりました。
その時は腕に痛みはありませんでした。
テレビを廃棄して車に乗り込んでハンドルを握った時に右手首の小指側が痛い事に気づきました。
その時は些細な痛みでしたが、しばらくすると痛みは肘内側に移動したので、筋肉痛だろうと思い左手で肘周囲を揉んでいました。
経過・所見
肘の内側の痛みは3日でマシになり、やはり右手首の痛みが目立ってきました。
肘の痛みでただマスクされていただけでした。
fovea sign(尺側手根屈筋腱と尺骨、三角骨で作られた窪み)の圧痛がありましたが、
尺側手根屈筋腱の付着部である豆状骨での腫れも確認できました。
手首の尺屈(小指側に折る)と回外(外にひねる)動作を合わせて行うと痛みが強く出ました。
TFCC損傷を身を以て体験でき、自分で自分を治療する事で患者さんへのフィードバックができると思い色々と触ってみました。
一時的に症状が良くなることはあっても、痛みを0にすることはできませんでした。
過去の経験でもTFCC損傷は長引くことが多くありました。
今回は尺側手根屈筋腱炎を併発しているので、この痛みは徒手治療で良くなるので自らを治療しました。
尺側手根屈筋への治療経過
前腕への治療をあれこれと続けて、受傷して1ヶ月ちょっとで痛みはほとんど無くなりました。
重いものを持つと痛みが出て、2ヶ月目では変わらずその痛みは残っていました。
3ヶ月目では重い物を持つ事ができますが、急激に手首を捻ると痛みが出ました。
4ヶ月目では床に手をつくと痛みましたが、我慢できる程度です。
5ヶ月目では痛みの自覚はなく、急激に手を捻ったり荷重をかけると痛みはあります。
1年以上経って荷重は十分にかけれるようになりましたが、急激にひねると痛みが出ます。
痛みも尺側手根屈筋腱部では無く、TFCC損傷部が痛んでいるものと思われました。
やはりTFCC損傷はしつこいみたいです。