股関節・膝・足

腓骨骨折後に起こる鉤爪趾

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整形外科勤務時代に、この病態を知ってから骨折治療が怖くなったことがありました。

しっかりと管理ができていれば問題ないのですが・・・。

海外で腓骨骨折の怪我をして、そのままそこで骨折の手術をして帰国後にその患者さんのリハビリを担当したことがありました。

海外と日本ですから、手術した先生との連携は取れません。

旅行代理店か保険会社を間に挟んでのやり取りになりました。

ギプスをしていたその患者さんの

「足趾が動かしずらくて、なんか変形してきた」

という発言を聞いて、ドキッとしたことがあります。

結果、何も問題なかったのですが・・・。

 

下腿外傷後の足部変形

この変形には、

「尖足、内反足、凹足、鉤爪趾」

などがあります。

それぞれ特有の筋肉が変形に関わっています。

よく知られているのは、下腿コンパートメント症候群の1つでdeep posterior区画でのコンパートメントの場合、脛骨神経領域の知覚障害や筋力低下とともに、尖足、内反足、鉤爪趾などの複合変形になります。

鉤爪趾のみの変形は、脛骨骨折と腓骨遠位1/3骨折で多いとされています。

また、打撲のみででも鉤爪趾が生じることもあります。

 

母趾の鉤爪趾

鉤爪趾は母趾では必発です。

deep posterior区画の内圧が上がらなくても長母趾屈筋が損傷すると筋組織内圧が上がり、血流が障害され、筋組織の線維化が起こり母趾の鉤爪趾が生じます。

その他の足趾で起こる場合には、長母趾屈筋腱が長趾屈筋腱と線維束で結合している為、母趾の鉤爪趾変形が4趾に影響を与えているためと思われます。

 

治療(予防)

鉤爪趾変形の予防がまず第一になります。

外傷処置を受けた後に、長母趾屈筋への阻血と短縮予防のために、早期から母趾の底背屈運動を行わなければいけません。

手術の場合、母趾の鉤爪趾変形が4趾に影響を与えていることがあるので、長母趾屈筋腱の処置を行うだけで4趾の鉤爪趾変形が改善することがあります。


※注意

鉤爪趾と槌趾は見た目が似ているので、区別が必要です。

 

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