小児が激しい頚部痛、頸椎可動域制限を来した時に、鑑別が必要になるものの1つに小児頚椎椎間板石灰化症があります。
椎間板石灰化の現象は、成人においては加齢による退行性変化として起こり、特に腰椎の線維輪や軟骨板に好発し、症状として出ることは稀で、自然に消失することもありません。
小児頚椎椎間板石灰化症
小児頚椎椎間板石灰化症は、上気道炎や発熱、外傷をきっかけとするとされています。
7〜8歳前後の男児に多く見られ、下位頸椎の髄核に出現します。
成人発症例とは異なり、症状は約1ヶ月、石灰化病変は約1年と数ヶ月で自然消失します。
再発例は無く、予後は良好です。
治療
保存治療が原則です。
罹患椎間板の隣接椎体の扁平化が見られますが、椎体変形はリモデリングが期待できます。
石灰化椎間板の後方突出による脊髄圧迫や、前方突出によって嚥下が困難になる場合は手術療法も考慮されます。