患者さんは60代後半の女性。
体格は中肉中背で、ややオーバーウェイト気味です。
膝が突然痛くなったと来院されました。
痛みが出たのは10日前で、それから痛くて膝を曲げるのが辛いと言います。
「膝が悪くなったら怖いから」
と整形外科に行きレントゲンと血流と血液の検査をされています。
評判が良いという遠くの整形外科まで行って、結果は
「よく分からない」
と言われたとのことです。
レントゲンや血液・血流には問題がなかったそうです。
「6000円も払ったで」
と言いつつも、問題が無かったことに本人は安心していたのですが、
痛みが治まらないのは不安です。
問診で痛みの出る部分を指差してもらいましたが、
あまり本人もよく分からない感じです。
当然、触診で膝の関節裂隙を触り、内側・外側、上側寄り・下側寄りの痛みを確認します。
本人が表現する痛みを再現できる圧痛点がありません。
「レントゲンでも問題ないと言われた」
と言っていたので、残る可能性は筋肉です。
触診してすぐに大腿内側の筋の硬結を確認できました。
明らかに左右差があります。
この部分を触るとものすごく痛がります。
こんなに簡単に原因が見つかるのはラッキーです。
その場で1分ほどの手技を行うとすぐに痛みは取れてくれました。
ベッドでの仰臥位と立位で、膝の屈伸の痛みがほとんど無くなったのを本人が確認してくれました。
膝の痛み=OAという刷り込みがあると問題解決にたどり着かなかったと思います。
「事前のレントゲン撮影で何もなかった」
という情報が役に立ちました。
血管性の痛み?とも思いましたが、血流検査もしっかりとされています。
整形外科でのスクリーニングがあると大変心強いです。