慢性腰痛には”一般的な”鎮痛薬は効かなくなっている事が多いです。
整形外科に通っている患者さんに処方薬を聞いても、貰っているものは一般的なものばかりです。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)のRやBはその代表で、ジェネリック薬も処方されています。
アセトアミノフェン系ではKなどがあります。
これで効かないとなると次なる手は
オピオイド系のNテープやT、神経疼痛薬Rなどが用いられるかと思います。
このように薬遍歴を重ねた慢性的な腰痛に悩んでいる患者さんが
「整形外科の先生が薬を変えて、それ飲んだらめっちゃ楽になった」
と言いました。
(私の施術どうこういうわけでもなく・・・)
どんな薬を飲んでいるのだろうと、教えてもらったのが抗うつ薬のSでした。
pain scaleは口頭ですが3割減で、
「こんなに効いた薬は今まで無かった」
との事です。
本人はこの薬が『うつ薬』ということは知りません。
『うつ』は精神疾患の部類に入るのでやはりこのような薬が処方されていい気はしないはずです。
薬局でどのような説明を受けたのだか・・・。
私もそのことについては黙っておきました。
が、確かにこの患者さんは家族の問題を抱えているのでそんなところに効いたのかもしれません。
しばらく飲み続けていたのですが、やはり副作用が出ました。
どうやら酷い便秘になったらしいのです。
「腰の痛みは楽になったけど、便秘がかなわん」
とお薬を飲むのを止めてしまいました。
とてもよく効いていたので残念です。
この例から、うつの薬が腰痛に聞くという話は、腰痛の大半が社会的要因によって作り出されてきたもの、
という『説』を醸しているように思います。
この患者さんの処方薬はNSAIDsへ変わりました。
当然のように効き目はありません。
「去年の今頃は今よりももっと良かったのになあ」
と先日もぼやいて帰って行かれました。
話を聞いていると家庭環境は悪くなるばかり。
いくら頑張って施術しても、こういった場合には効果は出ない事が多いです。
自分の無力さをひしひしと感じます。