Nonorganic signという言葉は聞き慣れないものですが、これは
「身体所見を取ると、原因が身体的な痛みとは思えないもの」です。
整形外科、接骨院など医療機関には様々な患者さんが来られます。
圧倒的に多いのが痛みを訴えて来られる患者さんだと思います。
そして、
ごく稀に不定愁訴、他に目的があって来られる方がいらっしゃいます。
そういった方への対応で、スムーズに治療を進めるために必要なのが、
痛みがどのようなものか確認するということです。
「患者が痛いといっているんだから痛いんだろう」
と真剣に向き合い過ぎると、当たり前ですが
治療に悩むこととなります。
詐病という言葉がありますが、
中にはそれに当てはまってしまう場合があります。
腰部の痛みを見分けるテスト
Flip test
まずは臥位にてSLRテスト陽性であることを確認します。
これで、坐骨神経の牽引で症状が出ることが分かりましたので、
次に座位で同様に脚上げをしてもらいます。
痛みのため、身体を後ろに仰け反らせたならば陽性で、
痛みなく脚を股関節90°まで曲げれたならば陰性とします。
【注意】
Flip testが詐病を見抜くテストとして考えると、
陽性、陰性を逆にしてしまうので、
Flip testは、座位でのSLRテストもしくはindirect straight leg risingtest
として覚えておく方が良いかもしれません。
その他に、Simulation testというものがあります。
Simulation test
axial loading test
患者を立位にして、頭を検者が押さえて軸圧をかけます。
負担は主に頚部にかかるのですが、患者は腰に負担が掛かったように感じます。
この時に腰部痛があるか否かを見ます。
rotation test
患者の両手と骨盤を後方より把持し、
体幹を左右どちらかに回旋させる際に、
骨盤と同一平面上にすることで
腰部に全く負担をかけていないが、
患者には腰から身体が捻れていると錯覚させるテストで、
この時に腰部痛があるか否かを見ます。
患者さんの抱える痛みが何であるか知る手掛かりになる事があります。