往診で対応した患者さんです。
2019年4月が初診で、昨年末より右股関節が痛みだしたそうです。
近医にてX線検査やMRI検査を受けて異常がないと言われて、
そこでリハビリの施術を受けていたそうですが、一向に良くならないので相談されました。
患者さんの自覚症状が、
①安静時から股関節を動かそうとすると痛む
→OAの症状でもあるがX線検査で否定された。
②安静時にも痛い時がある
→炎症があれば関節液の貯留が認められるはずで、MRI検査より否定された。
③股関節の屈曲内外旋で痛みが強い
→股関節唇の症状でもあるがMRI検査で否定される可能性がある。
④弾発現象がある
→X線検査やMRI検査での証明は難しい
というものでした。
私は話を聞いてすぐに弾発股だと思ったのですが、これも症状から違うようです。
触診して弾発現象を触知しましたが、パチっという弾発現象ではなく軋轢音、捻髪音と言った感じでした。
患者さんに「うつ病」の既往があり、患者さんの発言に対して否定的なことを言うのは得策では無いので、
話をよく聞き、それに沿った答えを上手に受け入れてもらうしかないです。
医師ではないので「診断」はできません。
”腸腰筋腱滑液包炎”が症状から一番しっくりとくる疾患でしたが、腫れや熱感などがあってもおかしくないはずですし、
こんなに長引くのもおかしいです。
患者さんが前医に対して不信感を持ってしまい、セカンドオピニオンも「どうせ一緒だろう」と受けてもらえなさそうです。
腸腰筋腱滑液包炎は成書にあまり記載がない疾患です。
滑液包の穿刺を行えば良くなるとありますが、徒手的に改善は難しそうです。