往診での新患さんです。
60歳代の女性で専業主婦です。
普段はボランティアで休耕地で花やら作物を育てている程度の活動量です。
初診日は2019年の3月上旬ですが、正月明けより右肩に痛みが出てきたそうなんですが、放っていたそうです。
痛みが治まるどころかだんだん痛みが強くなり、夜は痛みで寝れないそうです。
安静時の痛みがないので、石灰沈着性の痛みでは無さそうでした。
肩の診療でよく遭遇するパターンです。
身体所見
圧痛なし
動作痛:伸展+内旋で肩関節の前方部が痛い
熱感なし
屈曲150°ですが、体幹の矯正で170°確認
painful arc、drop arm sign⊝
Neer、Hawkins⊝
背中に手を回してのThumb testは骨盤
Sulcus sign⊝
治療1回目
夜間痛は患肢を下にして寝ると痛いということでしたので、就寝姿勢の指導をして早速治療しました。
初めてということで、身体の全体を触ります。
全体的に身体は筋の硬さは見られません。
本人も肩こり知らずだと言っていました。
この状態なら全身を診なくても大丈夫と思われました。
患者さんの後方に回り、4指で肩関節前方部に圧をかけて痛みが出る動作をしてもらいます。
圧がかかっている時には痛みは出ません。
動作時の骨頭の前方偏移が大きいか関節包(靭帯)への伸長ストレスが強いものと思われました。
この段階で何が影響しているかはすぐには判断できませんでした。
次週の治療は肩だけにしますと告げて治療を終えました。
治療2回目
2回目の治療は1週間後でした。
まずは状態の確認と思って、「どうですか?」と調子を聞きました。
患者さんは「良くなりました」と答え、
右腕を後ろに回します。
健側の左と同じところまで腕が回っています。
「だいぶ良くなっている様ですが、前回の治療が終わってから良くなりました?」
と聞くと、「2、3日前から急に腕が回る様になりました」
との答えでした。
治療者側からしたら、自分の治療によって良くなったのか、たまたまタイミングで良くなっただけなのか分かりません。
3ヶ月間痛かったのが1回の治療で良くなることもあるでしょう。
患者さんの愁訴は「痛だるい感じ」が残っているとのことでした。
他覚症状では無いので、イマイチ分かりませんが、よくある症状です。
前腕の治療と鎖骨周り、愁訴のあった部位を施術して終わりました。
もっと長丁場になると思っていたのですが、患者さんが満足してくれて良かったです。