軽度~中等度認知症に対して有酸素運動と筋力トレーニングをすると認知障害の進行を遅らせるということを整形外科勤務時代に勉強したように思います。
その時は、身体を動かす事が脳の活性化につながるものとして納得していました。
英国・オックスフォード大学の無作為化試験「Dementia And Physical Activity:DAPA試験」の結果では、筋トレのプログラムで体力の改善は認められるが、その他に関しては『明らかな改善は認められなかった』というものです。
研究グループは、多施設共同の無作為化対照試験で、中等度認知症者に対し、中~高強度の有酸素運動と筋力トレーニングのプログラムを行い認知障害およびその他に与える影響を調べたところ、運動介入群のほうが、認知障害が進んでいることが示唆されました。
運動強度が強すぎると抗酸化系以上に酸化ストレスが発生し、その結果認知機能障害がより促進する事が知られています。
運動療法での注意点は運動による酸化ストレスの増加を如何に食い止めるかがポイントとなります。
指導者は、適切な運動強度を提供しなければいけません。