先日来られた患者さんの付き添いで来られた家族の方がリウマチでした。
患者さんは、リウマチである事実を受け入れられなかったので、リウマチであるという診断を受けてから治療をしなかったそうです。
通院もしなければ、お薬の処方も受けなかったみたいです。
しかし、身体の不調が出て来たので、やむなく通院して薬の処方を受けたそうですが、手首の拘縮が始まっていました。
指の変形は見られなかったのですが、手首は尺屈位に固まっていました。
聞くと、最初の医院ではステロイド薬の処方ばかりだったそうで、これじゃいけないと思いセカンドオピニオンでリウマトレックスの処方を受けてようやく症状が落ち着いたそうです。
リウマチ学会のガイドラインでは「診断がついてから3か月以内」に有効性の高いリウマチ薬の治療を行うよう勧められています。
そして、発症してから2年以内の時期を「Window of opportunity」と呼んでいてます。
この時期に治療を始めることでリウマチの更なる悪化を防ぎ治療効果をより得ることができます。
決して間違っていたと言い切れませんが、民間療法をしていてこの時期を逃している人が非常に多いらしいです。
整形外科勤務時も「Window of opportunity」を逃したリウマチの患者さんをたくさん見ました。
鍼灸整骨院に通い続けていた人、リウマチに効くお茶を飲んでいた人、親がそうだったから諦めて放っておいた人など様々です。
正しい情報を収集するには、専門家に相談するのが一番です。
抗リウマチ薬
第1選択
メトトレキサート(リウマトレックス)
第2選択
アザルフィジン
リマチル
プログラフ
ブレディニン
日本での保険適用外薬
ミノサイクリン
イムラン
生物学的製剤
商品名 | |
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TNFα阻害剤 | エンブレル |
レミケード |
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ヒュミラ | |
シンポニー | |
シムジア |
商品名 | |
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T細胞活性化抑制性剤 | オレンシア |
IL-6阻害剤 | アクテムラ |
シナモンが効く?
日本では、人口全体の0.4~0.5%、30歳以上ではおよそ1%が関節リウマチ(RA)にかかるといわれています。
シナモンは、民間療法で関節炎などに使用されることがありますが、詳細は検討されていませんでした。
今回、イランでの研究結果でシナモンの摂取が、RA患者の炎症および臨床症状を改善する、安全かつ潜在的な補助的療法であると報告されました。
研究は、女性のRA患者36例を対象とした無作為化二重盲検試験がおこなわれました。
対象者を無作為に2群に分け、シナモン粉末500mgまたはプラセボが入ったカプセルを8週間連日投与し、開始時および終了時のC反応性タンパク質(CRP)、TNF-α、赤血球沈降速度(ESR)、血圧、臨床症状を測定しました。
結果
・プラセボ群と比較して、シナモン群のCRPおよびTNF-αの血清中濃度が有意に減少した。
・プラセボ群と比較して、シナモン群は、臨床スコアであるDAS28やVAS(Visual Analogue Scale)、圧痛関節数および腫脹関節数が有意に減少した。
と言うことです。
効率よく摂取できる方法があれば患者さんにもお勧めしたいです。