現代病?「第5中手骨頚部骨折」
壁や床を殴ったり、喧嘩で発生することが多いです。
別名「ボクサー骨折」と呼ばれているみたいですが、本当にボクサーが怪我をするようなことは無いようです。
(別の疾患でこられたボクサーには過去に怪我をしたということは聞いたことはありますが、人差し指の骨折でした。)
整形外科勤務時代に対応した患者さんで、学生はイライラして壁を殴ったというのが一番多かったです。
会社員の人も、ムカついて床を殴ったという話を数回聞きました。
キレやすい「現代病」とも言えるのでしょう。
どんな人に多い?
別名「ボクサー骨折」と言われているのは、殴って怪我をするという意味で、しっかりと拳を握って殴ることができない人は、小指の骨を折ります。
当て方を知っているボクサーは人差し指を怪我します。
ボクシングを始めたての人は小指を怪我することが多かったことから、この名前がついたと思われます。
検査
外観では拳のアーチがヘコんでるのが確認できます。
腫れと皮下出血は次第に出てきます。
整形外科でのレントゲン撮影で骨が下に折れ曲がっている像が確認できます。
治療法
変形をしっかりと整復してから固定を行います。
固定方法は、私の見解ですが指を伸ばした状態で固定を2週間ほど行い、後に指を曲げた固定に切り替える方法が良いように思います。
最初の2週間は整復位保持が目的で、その後は指を曲げていき機能性の獲得が目的になります。
問題点は指を伸ばして固定すると、すぐに指は曲がらないので固定の切り替えが上手くいかないことです。
段階的に指を曲げていく方法が良いと思われますので、頻繁に通院してもらい、指を少しずつ曲げる固定にする必要があります。
理想通り上手くいかないことが多いですが、少しでも変形と機能低下を残さないために、しっかりとした固定とリハビリを受けてもらわなければいけません。