私が学生の頃に、大阪で開業されている先生が講師を勤めている授業の中で、成書からコピーされた石灰沈着が起こるメカニズムについてのプリントの配布がありました。
学校で配布されたプリントは大抵大事に保管をしていましたが、私の部屋を含めた大掛かりなリノベーションをした時に、どうやら捨ててしまったようなのです。
私がしっかりと保存をしておけば良かったのですが・・・。
どのような内容だったかうろ覚えです。
記憶では、私が大学で化学の勉強していたのですんなり理解ができましたが、他のクラスメイトで化学が苦手な人には少し難しかったんじゃなかったと思います。
メカニズム
①何かしら機械的刺激や、軽微な損傷で組織がダメージを受ける
②ダメージを受けた組織は正常に機能せず、組織自体の生体活動が低下する。
③生体活動が低下したことにより、組織からの呼吸で排出されるCO2(二酸化炭素)が減り、その組織周囲はCO2を含まなくなりアルカリ性となる。
④酸と塩基のバランスからアルカリ金属であるCa(カルシウム)が析出することになる。
⑤析出したCaは徐々に量が増えると、白血球によって掃除されることになるが、その時に炎症反応を起こし激痛となる。
バクテリア説
ヒトの血液中には通常の細菌よりも小さい微生物があり、ナノバクテリアと呼ばれています。
これらは通常の菌培養の条件では増殖せず、栄養条件が悪いとカルシウムアパタイトを形成します。
尿路結石からはこのナノバクテリア様の粒子が培養されており、胆嚢内にこのバクテリアを注入すると胆石が発生しやすくなることが分かっています。
NASAによると微小重力下ではナノバクテリアの増殖が助長されるため、宇宙空間ではこれらが結石形成の危険因子であると考えられています。
(私的には、関節内の陰圧条件が破綻した時にこのナノバクテリアの増殖が助長されるのではと考えています。)
最後に
未だに石灰沈着の原因は解明されていません。
遺伝的な説などもあります。
患者さんからは「何でなるの?」と良く聞かれると思いますので、自分なりの説明を用意しなくてはいけません。