整形外科勤務時代には鼠径ヘルニア、スポーツヘルニア、大腿ヘルニアの区別があまりついていませんでした。
今でも知識不足だと思いますが、自分なりに整理して備忘録とします。
スポーツヘルニアとは
明らかな脱出ヘルニアはありませんが、鼠径管後方の壁を形成する横筋筋膜の一部が弱体化して腹圧をかけると、この部分が膨隆するものです。
医学的には鼠径ヘルニアの
直接ヘルニアタイプの一種か、初期像とされています。
しかし、この2つ(鼠径ヘルニア、スポーツヘルニア)は同じものとして混同されていることがほとんどです。
恥骨結合炎とスポーツヘルニアの関係
恥骨に付着する内転筋による牽引力が恥骨結合に剪断力を生じさせ、恥骨結合部に影響を与えます。
そして恥骨を介在して伝達される牽引力によって鼠径管後壁を形成する横筋筋膜が引き伸ばされたり裂けたりしてスポーツヘルニアが発生すると考えられています。
そのため、スポーツヘルニアと恥骨結合炎が併発しているという報告もあります。
誘発テスト
①仰臥位での下肢内転動作、
②端座位での内転動作、
③SLR(仰臥位で膝を伸ばしての脚上げ)を抵抗下で行う、
④上体起こし
これらの動作で疼痛の誘発がなされるか確認します。