CRPSという言葉がどうやって作られたかを、前述しています。
RSDの病態には交感神経系の関与が明らかではないので、RSDに代わってCRPSという疾患名が提唱されたのですが、症状は多様で、変化しやすいので診断は容易ではありません。
このことより、
悩まれているのは患者さんもですが、医療従事者も頭を抱えているわけです。
そこで臨床上の診断を統一するために診断基準が設けられました。
診断基準
type I は神経損傷がないもの
type II は神経損傷と関連する causalgia
CRPS type I の診断基準
1) きっかけとなった侵害的な出来事や動かさなかった(固定した)原因がある
2) 持続する疼痛があるか、アロディニアもしくは痛覚過敏の状態であり、疼痛の始まりとなった出来事に不釣り合いであること
3) 経過中、疼痛のある部位に、浮腫、皮膚血流の変化、発汗異常のいずれかがある
4) 疼痛や機能不全の程度を説明可能な他の病態がある場合、この診断は当てはまらない
注意:診断基準の2~4を必ず満たすこと
CRPS type Ⅱ の診断基準
1) 損傷があってその後に持続する疼痛、アロディニアもしくは痛覚過敏のいずれかの状態があり、その疼痛が必ずしも損傷された神経の支配領域に限らないこと
2) 経過中、疼痛のある部位に、浮腫、皮膚血流の変化、発汗異常のいずれかがある
3) 疼痛や機能不全の程度を説明可能な他の病態がある場合、この診断は当てはまらない
注意:診断基準の1~3を必ず満たすこと