整形外科勤務時代、なぜかこの線維筋痛症とリウマチ性多発筋痛症がごっちゃになっていました。
また、鍼灸治療を担当されていた先生が、線維筋痛症の患者さんへの対応で困っていたのが印象的でした。
最近では(2017)レディーガガさんがこの病気であることを発表されて認知度は上がったと思います。
線維筋痛症とは
1970年代に欧米で提唱され、1980年ごろから日本でも確認された、全身に耐え難い痛みが出る疾患です。
多様な疼痛が、頸部、肩甲骨周囲や背部から始まって、全身の関節周囲での筋肉の付着部痛がある疾患です。
体幹中央部の痛みが主ですが、四肢の痛みも出ます。
身体の広い範囲で疼痛が持続し、疲労や睡眠の質の低下、記憶力や集中力の低下などがもたらされることもあります。
また、光や音への過敏性や不安、抑うつなどの精神症状を伴う場合もあります。
線維筋痛症でみられる疼痛や障害は、他のどの慢性疼痛を伴う疾患よりも深刻であることが多いのです。
どんな人に多い?
40〜60歳くらいの女性に多いとされています。
この疾患の有病率は世界で4%と推定されています。
一部の専門家は、線維筋痛症の発症には交通事故などの外傷を伴う出来事や複数回にわたる負傷の経験、中枢神経系の障害、遺伝的素因などが関与しているのではないかとの見方を示しています。
診断
症状を訴えても不定愁訴とされ、診断がつきにくいので基準が設けられました。
3ヶ月以上持続する全身の痛みで、全身に18ヶ所設定されている圧痛点のうち、圧痛計を使って圧を加えて、11ヶ所以上の圧痛点が確認されれば線維筋痛症とされます。
鑑別が困難なリウマチ性脊椎炎
この疾患との鑑別は、現在に炎症性背部痛があるか、もしくはあったことがあるかということと、
①3ヶ月以上持続してあるか
②発症が45歳未満
③発症が潜行性
④運動により改善する
⑤朝のこわばり
この5つのうち4項目が合致することとされています。