この疾患は、なかなか診断を受けることはないと思います。
認識が薄いことと、上腕骨外側上顆炎との鑑別が非常に難しいからです。
私自身も、上腕骨外側上顆炎の勉強をした際に、初めてこの疾患について知り、
上腕骨外側上顆炎との鑑別を常に意識して患者さんへの対応に当たりました。
橈骨神経管とは
腕橈関節の関節包が後面を覆い、短橈側手根伸筋と上腕二頭筋腱が前面を覆い、回外筋浅頭の縁で形成されたFrohseの腱弓までの部分のことを言います。回外筋に侵入した後とよく勘違いされます。
このトンネルを後骨間神経が通ります。
病態
後骨間神経への短橈側手根伸筋の線維性索状物やFrohseの腱弓での圧迫や
神経周囲の癒着により、運動麻痺を生じたり、テニス肘のような痛みを呈したりします。
後骨間神経麻痺との区別がよく分かっていません。
手関節を頻回に屈伸運動させる動作をしている人に多く見られます。
症状
上腕骨外側上顆炎で痛みが生じる部分と同じで、
上腕骨外側上顆から前腕の橈側に痛みが出ます。
安静時痛や、橈骨神経支配領域の痺れがある場合もあります。
上腕骨外側上顆にも圧痛がありますが、
橈骨神経管部での圧痛が1番強く出ます。
Thomsen testやMiddle finger extension test(MFE test)
でも疼痛を訴えるので、上腕骨外側上顆炎との鑑別は圧痛点が重要になります。
治療法
保存治療では、誘引となった動作を中止させて経過を見ます。