整形外科勤務時代に大腿ヘルニアの既往を持つ患者さんが股関節の痛みを訴えて来られて、どうしたらいいのか困った記憶があります。
結局は大腿ヘルニアではなかったのですが、鼠径ヘルニアとどう違うのか頭の中で整理ができておらず、まごまごしていました。
大腿ヘルニアとは
鼠径ヘルニアと混同されているみたいですが、これらは鑑別は必要とされます。(診療ガイドラインより)
そもそもヘルニアが出る部分が異なり、大腿ヘルニアでは鼠径靭帯の下から出ます。
この部分には鼠径靭帯や大腿静脈に囲まれた大腿輪(管)と呼ばれる穴(管)があります。
大腿輪では腹膜1枚で腹腔と接しているので、この部分からヘルニアとなって発生します。
本を読んで理解しようとしてもなかなかイメージができません。
イラストなどをみるとイメージがつきやすいです。
どんな人になりやすい?
鼠径ヘルニアよりも高齢で発生し、痩せ型の多産女性に多いです。
これは出産時にお腹が大きくなることを繰り返して大腿輪周囲の筋肉や筋膜が緩くなることが原因と考えられています。
治療法
飛び出たヘルニアは元に戻りにくいため、外科的な処置が必要となります。