股関節・膝・足

足関節骨折のギプス固定は3週間に短縮可能である

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安定型足関節外果単独骨折(Weber分類タイプB)の治療において、ギプスまたは装具による最適固定期間は6週から3週へ安全に短縮できる可能性が考えられるとフィンランドの大学病院がBMJ誌2019年1月23日号にて報告しました。

安定型Weber分類タイプB腓骨骨折は、最も多い足関節骨折で、膝下に6週間ギプスをすることで非観血的に治療することができます。

この治療戦略の臨床結果は一般的に良好であることが示されていますが、長期にわたるギプス固定は有害事象のリスク増加と関連していて、ギプス固定の至適期間に関する質の高いエビデンスが不足していました。

 

実験

研究グループは、X線写真により足関節外果(腓骨)単独骨折(Weber分類タイプB)を認めた16歳以上の247の症例に対して、

患者を6週間ギプスで固定する(6週ギプス)群84例、

3週間ギプスで固定する(3週ギプス)群83例、

または3週間装具で固定する(3週装具)群80例を無作為に割り付け、52週間追跡しました。

主要評価項目は、52週時のOlerud-Molander Ankle Score(OMAS:0~100点、スコアが高いほど転帰良好で症状が少ないことを示す)で行いました。

副次評価項目は、足関節機能、疼痛、QOL、足関節の動き、X線写真で、6週、12週、52週時に評価しました。

結果

247例中の212例(86%)が試験を完遂しました。

52週時のOMAS(平均±SD)は、6週ギプス群87.6±18.3点、3週ギプス群91.7±12.9点、3週装具群89.8±18.4点でした。

52週時の群間差は、3週ギプス群vs.6週ギプス群で3.6点、

3週装具群vs.6週ギプス群で1.7点でした。

いずれの「3週固定群vs.6週固定群」比較において非劣性が認められました。

群間で統計的有意差が確認されたのは副次評価項目のみで、有害事象については6週ギプス群と比較し両3週固定群で『足関節底屈』および『深部静脈血栓症』の発症がわずかに改善していました。

 

6週間というと1ヶ月半になります。

整形外科に勤務していた時には、こんなに固定をしたことはありません。

ギプスからギプスシャーレに切り替えて機能性を考慮します。

海外の医療機関では、言われている固定期間をしっかりと行わなければ、裁判になった時に不利にでもなるのでしょうか?

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