症例

人工関節置換手術後の身体

投稿日:

 

通院中の患者さんから依頼があり、近所に住む人を診てあげて欲しいと言われました。

その患者さんは、家からすごく離れたクリニックで人工関節置換手術を受けて、すごく離れた別の施設でリハビリを受けていたそうです。

「人工関節の手術を受けてもリハビリはおざなりになるので、それで困っているのだろう」

と勝手に思い込んでいました。

初診の時に話を聞いていると、どうやら単顆人工膝関節置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty:UKA)を受けていたそうです。

最近この手術は少なくなったように思っていたので、どうしても十字靭帯を温存したかったのかな?などと思っていました。

しかし、これは私の問診票の見間違えで、手術は10年前にしていたのです。

だからUKA手術も納得です。

去年に交通事故に遭ったという記述と間違えていました。

交通事故に遭ってから杖をつくようになり、近位脛腓関節症(亜脱臼)も生じました。

UKA手術をおこなった同じ側の膝です。

近位脛腓関節症の交通事故での発症例はこれで2例目です。

医療機関では見落とされていたみたいです。

そして医療機関でしっかりと診てもらっていなかったので、跛行が治っていません。

話を聞いていると脊柱管狭窄症もあるとのことで、体の歪みもひどくなっていました。

 

患者さんは独自にスクワットなどの運動をしていて、上手にこなしていました。

動きからすると筋力に問題は無いようです。

跛行は下肢と体幹の連動ができていないためのものと思われました。

どうせスクワットをするならランジをしたほうが良いのでその指導をしました。

まずは足の静的なものから動的なもの(前、後ろ)と3stepに分けてやっていくことを患者さんに説明し、理解が得られました。

『ゴールは杖なし歩行』

と患者さんに明確な目標が設定できたので、治療を終えるタイミングも設定できました。

最後に患者さんから

「次は○曜日にきたいんですけど」

と言っていただけました。

このように言ってもらったら、医療者側としたら本当に助かります。

毎回思うのですが、通院指導の時に「週に○回のペースで来てください」と回数を提示しますが、その根拠はどこから来るのかと言う事です。

整形外科に勤務していた時の感覚で、自信を持ってある程度答えれるものがありますが、「これってどうなの?」と思うことがあります。

前に勤務していた所は無茶苦茶でしたので、患者さんに自信を持って通院を勧めれるよう日々の仕事をフィードバックさせます。

-症例

Copyright© bonesetter's note , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.