症例

不眠症

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全ての病状が科学的、医学的に解明できている訳ではありません。

医学的に説明できないものはたくさんあります。

当院の患者さんで眠れないという人が多いように思います。

患者さん自身はその事を苦痛に感じていますが、日常会話でそのことをあまり話してくれません。

施術で身体の固さや、力の入り具合などから「おかしいな」と思ったら

「夜ちゃんと眠れていますか?」

と聞くようにしています。

中には「ちゃんと眠れています」

と返してくる人もいます。

しかし、「身体の状態を診ていると寝にくいのかもと思って尋ねてみました」

と言うと、「でも薬を飲んでようやくちゃんと寝れています」

という人もいました。薬がなかったら、ちゃんとは寝れていない状態です。

整形外科勤務時代には、入眠剤を長期にわたり常用している患者さんがいて、常にフラフラしていました。

顔の表情も乏しく、眠たげな事が多かったように思います。

うつ病も疑ってスクリーニングしなければいけなかったかもしれません。

転倒などのトラブルがとても多く、身なりも段々と汚れてきていました。

精神疾患や他の薬の作用のせいかも知れませんが、入眠剤を飲み続けるとあまり良くないイメージがありました。

 

母親の不眠

先日、母親が眠れないと言うようになりました。

寝付くまで時間がかかる日もあれば、寝て2〜3時間で目が覚めて、それからは目が覚めてしまい眠れないと言う事でした。

身体の緊張などが原因かと考えて身体を施術しました。

全身を触った感じでは、夜ちゃんと眠れているか尋ねるような状態ではありませんでした。

母親が不調を訴える部位を集中して施術し、施術中に眠たくはなるのですが、寝るまでには至りませんでした。

2日続けて施術しましたが、どちらの夜も熟睡は得られませんでした。

 

薬の処方を受ける

後日、親戚の叔父(医師)が家に来た時に母親が病状を話しました。

叔父が言うには年齢と共に眠れなくなっている人が増えているらしいです。

比較的優しい入眠剤を処方してもらいました。

私は服用するのを反対でしたが、母が気持ち良く眠れるのならばと、次の日の効果を期待しました。

次の日の朝に眠れたかどうか聞きました。

母親は「とてもよく眠れた」と言ったので

「薬がよく効いたんやね」と答えました。

母親は「薬は飲まなかった。薬があるからって思うと気が楽になって眠れたと思う」

と言っていました。

そういえば、入眠剤を服用している患者さんも

「眠れなかったら入眠剤があるっていう気持ちの余裕ができる」

と言っていたことを思い出しました。

 

不眠症のタイプと治療

睡眠障害による不眠症には大きく4つのタイプがあります。

①入眠障害(なかなか寝つけない)

②中途覚醒(夜中に何度か目が覚めたり、一度目が覚めたらその後眠れない)

③早朝覚醒(起床予定時間より早くに目が覚めてしまい、その後眠れない)

④熟眠障害(しっかり寝たはずなのに、ぐっすりと眠れた感じがしない)

ガイドラインでは

 

とされていて、このタイプをしっかりと把握した上で治療をしていくのですが、パターンとして

❶マッサージなど外的に施術して睡眠が得られるもの、

❷内的に薬を服用して睡眠が得られるもの、

❸精神的緊張や不安要素を解決して睡眠が得られるもの、

があると思います。

❷は身体の日内リズムが壊れていたり、自律神経の不調が原因であり、これに対して薬はとても効きますが、寝ると言うよりは薬の力で寝かせられている感じです。

治療の最終目標は薬の服用からの脱却ですので、薬に慣れて服用量が増えるような事があってはいけませんし、弱い薬から強い薬に変えるような事があってもいけません。

❶だけで治ることも非常に稀だと思います。

身体に力が入り易いと言う人は、緊張しがちで眠りにつきずらいように思います。

整骨院で対応する人達の多くがこのタイプだと思います。

身体に力が入り易いかのチェックは、痛みがないか確認して足首を回してあげると分かります。

回す方の手もしっかりと脱力し行います。スムーズに足が回れば脱力ができている状態です。

❸はうつ病やストレスを抱え込んで生じるもので、カウンセリングを受けたり瞑想を行って、他人や自己の力を利用して克服しなければいけません。

❶❷❸の治療を複合的に受けて、薬の服用を徐々に減らすのが一番良いように思います。

眠れないという経験をしたことがあるので、その辛さも分かります。

安易に薬に頼り過ぎないよう治療に臨まなくてはいけません。

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