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閉鎖孔ヘルニアによる股関節周囲の痛み

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整形外科勤務中に実際に見た事はありませんでした。

股関節周囲の疾患は構造が複雑である事と、治りが悪いので、治療方針を立てるのは得意ではありませんでした。

ただ、文献でこの疾患を知って、これだけは見逃さないように気をつけていました。

加えて、勤めていた整形外科の患者さんの多くは高齢者だったので、この疾患にいつ遭遇しても良いように気を引き締めていました。

この疾患は、

”The skinny old lady hernia”

とも呼ばれていて、身体所見として

①開腹手術の経験がない

②多産

③腸閉塞の自然軽快の既往あり

などがあります。

 

症状

腹痛や、嘔気など腹部症状が無い事があります。

大腿内側の股関節から膝にかけての疼痛があります。

これはヘルニアが閉鎖神経を圧迫・刺激することで生じ、Howship-Romberg徴候と呼ばれています。

日本の文献だと、股関節伸展・外転・内旋で痛みが増強するという

 

『Howship-Romberg test』

が紹介されていますが、

海外の文献では閉鎖筋を緊張させるために股関節を内旋させるだけのテストとして紹介されているようです。

閉鎖神経とは

閉鎖神経は閉鎖孔を出た後に前枝と後枝に分かれます。

 

仮に症状が長く続けば内転筋の筋力低下を起こし、よたよた歩行(waddling gait)が生じますので、見逃さないように注意したいです。

 

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